セルフレジやセンサーによる商品提案など小売業の無人化、キャッシュレス化は加速しています。昨年末には高座渋谷駅西口にオープンした「パレッテ」もまさに国内初のイオン系未来型ディスカウントストアとして注目されています。
メニュー提案に関しては今年7月から実験的にスタートしたレシピ提案アプリ「うちレピ」。自宅の食材からつくれるレシピや買い足す食材候補を提案するサービス。サッポロホールデイングス株式会社と株式会社イトーヨーカー堂。パナソニック株式会社アプライアンス社など大手異業種企業がタイアップしフードテックサービスの構築に乗り出しています。
資金力と最新の技術力を駆使し未来を見据えたスーパーマーケット及び食生活の提案は永遠に続きます。
そんななか私たちが忘れてはいけないことは「食べること」「つくること」の根底にある”
こころ豊かに暮らす“ための「食」の提案をしつづけること。それはまさに食に携わる私たちのミッションであると考えています。
第1回目にご紹介したいのは、高知県高知市に本社がある株式会社サニーマート。
1970年代には店内に「料理アドバイザー」を配置し料理提案を展開しはじめました。
この時代はまだ家庭内調理もあたり前の生活。そんななか“美味しく食べること”“つくる喜び”の提案をスタートしています。「料理アドバイザー」は売上をもたない専用スタッフであり自分たちが伝えたいレシピを自由に提案できます。
地域に根ざした食提案編
昭和33年 高知市になかむらや(サニーマート前身)開業
1970年代 料理アドバイザー提案開始
その後は全国各地のスーパーマーケットからサニーマートに視察にくる企業もあり類似したサービスが全国のスーパーマーケットでスタートしていますが、なかには売り上げ上げることを目標に専用スタッフが料理提案や商品紹介をしているサービスも少なくありません。
サニ―マートの料理アドバイザー(通称:AD)は、料理をつくるのが好きな人。お客様との会話を楽しめる人材が多く地域のお客様はサニーマートのADさんを目当てに毎日店舗に訪れることもあります。
昨年2月以降は店内の試食が難しくなり、ADの料理提案は店舗ごとに工夫が多く一段と楽しませてくれています。「毎日が食育」を合言葉に見てつくりたくなる料理提案。旬の食材を美味しく食べる方法。つい作りたくなる献立の提案を展開しています。
コロナ禍で試食が困難な状況でも食卓提案を積極的に行っています。
これまでは地上波で見ていたテレビ番組を、今はPCやスマホで見たいユーチューバーや有名人の番組を無数のチャネルやアプリを使って観ることができる時代です。
スーパーマーケットもまた店舗や形態は様々に増えていっても“この人に会いに行きたい!”“この人から料理提案をしてほしい!”そんな人たちがいる場所。そんな人のいる店舗が強い売り場こそ、未来型のスーパーマーケットであってほしいと切に願っています。
文章:(一社)あしたの食卓研究所石原奈津子
■参照
〇サニーマート
https://www.sunnymart.co.jp/
〇パレッテ
https://palette.onl/
〇うちレピ
https://uchirepi.sapporoholdings.jp/?utm_source=line&utm_medium=social&utm_campaign=official